音読療法は、現代朗読という表現行為から生まれた健康法、セラピーです。
先日、私はこの現代朗読のゼミに初参加してきました。
音読療法で行う音読よりも、より表現することに焦点を当てた”朗読”を経験することで、”言葉を声に出して読む”という表現のおもしろさに気づかされました。
音読、朗読と聞くと、小学校や中学校の授業の中でやらされた作業、という印象がある方も多いかもしれません。しかし、そこには、豊かな世界と発見がありました。
朗読は、制限や媒介物がとても少ない表現行為です。例えば、歌唱だと音階という制限があります。楽器演奏や絵画は、人の身体と表現物の間に、楽器や筆記具という媒介物が存在します。
つまり、朗読という表現は「人の身体でその時、起きていること」を、そのままかたちにすることに適した表現行為だと思うのです。
私たちが思い込みや考えを手放し、身体の生き生きさをそのまま声に乗せることができた時、発せられた声は私たちの身体という豊かな世界を表した表現となります。発せられた声には、その時その瞬間の私たちの身体が現れていて、その声によってその時そこにいる自分を発見することもできるのです。
“言葉を声に出し読む”ことを通して、音としてかたちを与えられた自分の声を聴き、声を出している私たちの体が発する声なき声を聴き、その時そこにいる自分を見つけてみるのはいかがでしょう?
新しい出会いが待っているかもしれません。