よく、「音読と朗読の違いは?」「音読って学校でやってたやつですか?」と聞かれます。

音読とは「声を出して読む」こと。シンプルですね。

朗読が(本来の意味は「声を出して読む」ことですが、現在はそこから発展して)表現行為なのに対して、音読は表現力も読解力も発音技術も必要としない、ただ声を出して文章を読むこととして、ここでは定義しています。

ひらがなを読める人なら誰でも、どんな難しい文章であっても漢字にふりがなを振れば音読できます。5歳の子も「論語」を音読することはできます。

つまり、難しく考えず、とにかく「書いてあるものを声を出して読む」。

それだけで、変化が起こります。

なぜでしょうか。

声を出して何かを読むことは、すなわち、息を吐くということです。
「ゆっくり息を吐いて」と言ってもできずガッカリしている人も、「この文章をここからここまで息継ぎしないで読んでみてもらえますか」と言うと、笑いながら挑戦してくれます。

それと意識せず、長く息を吐くことができる方法。それが音読です。
そして、ゆっくりとした呼吸は身体を休め、気持ちを落ち着かせるのです。

年齢や体力に応じて幅広く対応でき、始めるに易く、やるとやらないでは大違いの楽しさを秘めた「音読」は、心の持ち方を安定させ、心身の健康を自分で作る、シンプルなツールなのです。

 

学校でやっていた音読も、本来は同じです。

しかし、声の大きさや姿勢、本の持ち方、読み違いのないように注意せよ、などといったルール的なものを持ち込んでいるとしたら、それは「特殊な音読」に変わっています。これは、成績評価をつけるために持ち込まれたものです。

音読という行為に、評価はありません。ただ声を出して、誰かの書いた文章を読むだけです。
「評価を手放す」ということは、音読療法でたいへん大きな意味を持ちます。
詳しくは、共感的コミュニケーションの学びのなかでお伝えできることでしょう。

 

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