音読療法とは、

呼吸と声を使うメンタルケアの方法です。
中心となるのは、呼吸法、音読エチュード、共感的コミュニケーション。呼吸法と音読で、深層筋(コアマッスル)を鍛え、自律神経を整えます。シンプルな方法なので、人に伝えていっしょにやることも比較的容易で、かつ、表現行為を通じて「楽しめる」ことが大きな特徴です。

共感的コミュニケーションとは、

マーシャル・B・ローゼンバーグ博士が体系化したNVC(Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)、相手と自分への「思いやり」を軸にしたコミュニケーション法で、見下したり卑下したり勝ち負けといった反応を手放してお互いを大切に扱うための視線を養います。音読療法の各手順はこれに基づいて組み立てられています。

音読療法は「質のいい呼吸と身体」を作ります

精神が不安定になると、呼吸も浅く不安定になりがちです。また、自律神経が乱れると、呼吸も不安定になります。
これは逆に利用することができます。つまり、呼吸を深く安定させることで、気持ちを落ち着かせたり、自律神経を整えたりできるのです。
脳はつねに呼吸を監視し、調整しています。気持ちが不安定になったり、生活リズムが乱れたり、ストレスを受けたりすると、呼吸の監視と調整がうまくいかなくなります。逆に、意識的に呼吸を安定させることで、脳に信号を送り、調整機能を取りもどすことができます。

こうした人間の生理を利用してメンタルケアを行うのが、音読療法です。

まずは呼吸法からスタートし、声や音読を使って自分の身体の「いまここ(プレゼンス)」を意識するエチュードに進んでいきます。

呼吸法やエチュードをやっている間は「マインドフルネス」を体感し、「いまここ」にいる自分の状態だけに意識を集中することができます。

呼吸法では深くリラックスできます。
これは決して身体に「楽をさせる」ことではありません。
呼吸筋や姿勢筋にはしっかり働いてもらう必要があります。

深い呼吸はさまざまな呼吸に関係する筋肉を使いますが、とくにインナーマッスルと呼ばれる体幹の筋肉を使います。

また、深い呼吸を柔らかく下支えするために、姿勢を保持する必要もあります。つまり、姿勢筋にもしっかり働いてもらいます。これもまた体幹の筋肉(コアマッスル)を使います。

これらを調整し、場合によっては鍛えていくことで、質のよい呼吸を作ることができます。呼吸の質があがると、身体の使い方の質も向上し、また気持ちも落ち着いてきます。

リラックスした呼吸と身体、そして心のためには、ある程度の筋肉の質と自分の身体への意識の向上が必要なのです。

 

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